【状況】
インフォメーション・テクノロジーの略。情報の伝達技術のこと。人間の文化の進化と共に発達してきた。人類のITの始まりは話すこと、つまりは伝えるということ。道具を使えるようになると、壁画のように絵文字を残し伝えるようになった。人間の社会が大きくなり、文化活動が盛んになると紙を使って情報の持ち運びを可能にし、やがて印刷を発明した。さらに即時性が必要になると毎日印刷する新聞が登場。続いて、紙を印刷する時間や届ける時間ももったいないと電波を使うラジオができた。そして、電波でも耳からの情報だけでなく目からも情報を得ることができるテレビへと発展した。
そのテレビは便利であったが、より高い即時性を求める進化の方向性には抗しきれず、一方的にみるだけでない自分の意思も伝わるインターネットが出現した。
インターネットも電話線でつながれた時代から外を歩いていても使える時代となった。
【分析】
このような情報流通の環境下でもっとも変化するのは、仕事の内容であろう。
インターネットの利用に不可欠なコンピュータは、「事務」という仕事に費やす時間を大きく減らすことになった。まとめられた情報はインターネットによってすぐに仲間の間で共有化される。このことは、すべての仕事において必須な差別化(他者との違い)において、「事務」(情報をまとめる)という作業にさほど価値がなくなったということを意味している。「情報」は、誰でもすぐにまとめることができ、誰かがまとめた「情報」はいつでも誰でも手に入れることができ、そのため「情報」では仕事上の差別化を確立しにくくなったからである。
【結果】
では、このインターネットの時代に必要な仕事とはなにか。
それは「情報」のもとを生み出すことであろう。コンピュータにはできない「無」から「有」を生み出す創造性のあるデザインやモノを作り、インターネットを通じて世界中の人々を相手にするような行為が仕事となると思われる。
その結果、今の日本のようにわずかな大きい会社の下にたくさんの下請けの会社があるという状況が変わり、大手も下請けもなくなり特徴のある会社がたくさんできる、という状況になる。
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